1 早稲田大学高等学院概要

概要∶
早稲田大学高等学院(早稲田大学付属高校)は、1949年に設立された名門私立高校である。学校は東京都練馬区上石神井に位置し、東京の都心に近く、緑が多く、美しい自然がある。面積5万8千平方メートルで、現在36クラスを有し、生徒数は1848名である。

早稲田大学の付属校として、早稲田大学建学精神である「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」を理念とし、大学の伝統文化を伝承している。グローバル化が進むにつれ、日本と海外との交流も頻繁に行われるようになり、早稲田大学高等学院は人材育成やカリキュラム編成においても新たな時代に適用するように、独特な教育方針を打ち出した。

早稲田大学高等学院は常に学生の個性と潜在能力の開発を重視している。名門校出身の講師陣によって、様々な新しい研究方法と最先端な学問が教室に持ち込まれた。このほか、早稲田大学高等学院は国際交流を展開し、現在イギリス、ドイツ、オーストラリア、韓国等の学校との間、姉妹校関係を築き、学生の交換や、サマーキャンパスの共同運営、相互の訪問と交流を促進した。日中関係の発展により、早稲田大学高等学院は中国の学校との交流関係を強化しようとしている。

卒業生∶
高等学院の卒業生全員が推薦によって早大の各学部に進学できるため、大学受験というプレシャーがなく、高校教育は主に学生の総合的教養の向上を目標としており、多種多様な特色のある教育活動に務めている。高い素質をもつグローバル人材を育成するため、高等学院は第二外国語を必修科目にしている。近年日中両国の各領域における協力関係が深まることにより、中国語の履修を希望する生徒数はドイツ語、フランス語、ロシア語等他の第二外国語を凌ぎ、中国語は希望者数が最も多い課程となった。

中国語教学∶
時代の要求に応えられる人材を育つために、学校は国際交流を重視し、外国教員を取り入れ、学生の外国語能力向上と視野開拓することに務めた。高等学院は現在、中国語含め、第二外国語四つを設置した。中国語授業を初級から中級まで六種類の授業のほか、会話講座も設置している。学習者の必修時間は3年間8コマとなり、教師に関しては、専任講師二名と非常勤講師三名を持ち、うち二名は中国を母語とする非常勤講師である。近年日中両国の各領域における協力関係が深まることにより、そのうち中国語履修者の人数は増えつつある。

2.早稲田大学孔子学院

2007年4月12日に、中国国家漢語推広領導小組弁公室の代表として、当時の駐日本特命全権大使王毅氏が早稲田大学白井克彦総長と共同で研究型孔子学院設立に関する協定書に調印した。世界初の研究型孔子学院が正式に早稲田大学で設立されたことを表している。これらの孔子学院とは異なり、早稲田大学孔子学院は大学院生を対象とし、中国語の教育ではなく、中国に関する研究を中心とする「研究型孔子学院」である。早稲田大学孔子学院は「早稲田大学‐北京大学共同教育研究運営機構」を通して、主に以下の事業を展開されている。中国から著名学者を招聘し、早稲田大学の大学院生を対象とする当代中国関係講座を開催すること。早稲田大学在学生を対象とする留学前の中国語講座及び中国思想文化に関する講座を開催すること。中国を研究対象とする若手研究者を北京大学へ派遣し、共同研究を展開すること。上級中国語学習者向けの教育方法研究及び教科書を開発すること。中国学に関する国際学術論壇を開催すること。

 

3.早稲田大学高等学院孔子課堂設立の背景及び理由

新たな道を開拓し、時と共に進む。中国語学習者が世界的に増えつつある中、もっと多くの若者に中国文化を触れられ、新時代の中国とことを理解し、日中両国青年の間の相互理解と信任を深めるために、早稲田大学高等学院は多彩な中国語コースを開設するのみならず、学生の中国留学などの交流事業も行っている。

中国語履修者が増えるにつれ、早稲田大学高等学院はさらに中国語教育を充実し、もっと多彩な交流計画を勘案している。こうした状況の下、早稲田大学高等学院は北京大学付属高校と連携し、孔子課堂を開設し、このプラットフォームを利用し、学院の中国語教育のリソースをより一層充実させるとともに、中国の高等学校との間の交流事業を展開することを望む。

 

4.早稲田大学高等学院孔子課堂事業計画

基本的な考え:
早稲田大学高等学院は、現在高校生向け7つの中国語関連授業を開設している。中国経済の発展に伴い、中国語の学習者は年々増えるものと思われる。新しい時代のニーズに合わせ、グローバル人材を育成するために、より多くの日本の若者に中国の文化に触れ、新しい中国を知る機会を増やしたい。早稲田大学高等学院は孔子課堂というプラットフォームを利用し、日本の若い学生により豊富な中国語学習リソース、新しい中国語教育のモデルを提供するために、課外講座、課外活動を中心とする事業を展開したい。

  1. 高等学院における課外講座「現代中国を学ぶ」
    食文化、服飾、音楽(芸能)、買い物、いまの中国でどういうものが流行しているのか、特に同じ高校生である中国の学生が何を好み、どういう生活をしているかなど、学校の授業では取り上げづらい、また報道によって知ることもなかなか出来ない現代中国と中国人の文化・生活状況について生きた中国語を、視聴覚教材、特にドラマなどを題材に用いて中国語を学習する。孔子課堂では、現在の日本高校生の興味に基づき、現代中国を学ぶという授業を開設する。サブカルチャーに引かれる若い学生を対象に、ドラマなどの題材を用いて、現代中国語で演劇の練習・発表を行い、授業で養うことが難しいいきた中国語の表現能力を身につける。上記の学習によって身につけた現代中国事情の知識および中国語表現能力を基に、日本の高校生の生活と中国人高校生のそれと対比さえて文化的な考察をし、中国語を用いて、考察の結果を中国人高校生と電子メール交換をすることによって、中国語文書表現能力を養う。

    授業時間は週1回90分程度とする。

    対象学生は、全学年の学生とする。

  2. 課外活動サポート
    学校授業以外にも、サポートシステムとしての課外活動を展開し、学生の視野を広げ、興味を引き出す。

    ①中国語コーナー
    中国語コーナーを開設し、日中辞典、その他ハード的な教材を充実させ、学生にとって中国語で交流できる環境を作る。生徒に、放課後の時間で中国語に触れ、中国語を使う機会を増やす。教師の説明を中心とする授業では、臨場感に欠け、言語の運用能力を高めるために、会話が必要である。中国語コーナーは、学生に活発な交流ステージを提供し、生徒の積極的な参加を通して、授業で学んだことを実践に活用できる能力を育成する。

    ②個人指導
    先生と生徒の一対一の形式で、生徒一人ひとりに合った学習プランを立て、それぞれの問題を取り組み、生徒一人ひとりの語学能力に合わせて、効果的にアドバイスを行うオフィスアワー。一人一人への熱心な指導を通し、授業で学んだ知識への理解を深め、個人指導は学習効率を上げることもできる。

  3. 中国文化講座
    中国から芸術家を招き、生徒に中国の伝統音楽を紹介したり、中国語教師を招聘し、中国語のミニ知識を講演してもらったり、中国伝統文化の紹介によって、中国文化の奥深さを理解してもらう。条件がそろえば、中国語コンテストなどを開催し、生徒の中国語への興味を引き出す。
  4. 交流事業
    年間一回現地に赴き、中国人高校生(例えば北京大学付属校の生徒)たちとの直接の交流によって、中国社会への理解と語学力の向上をさらに強化するために、中国高校との交流事業を展開する。また、中国社会の見学も予定する。
  5. 教員養成プロジェクト
    夏期に、孔子課堂から若干名の教師を日本国内及び中国へ派遣し、早稲田大学孔子学院が主催する教員養成プロジェクトに参加する。

    管理・運営体制:早稲田大学高等学院孔子学堂の管理・運営体制は、管理委員会に相当する理事会と、計画立案等を制定する運営委員会及び事務局によって構成される。

    理事会は早稲田大学高等学院‐北京大学付属高校及び早稲田大学孔子学院が、共同設立した管理委員会の委員によって構成される。早稲田大学高等学院校長を理事長に兼任する。理事会の責務は当年度の計画立案・当年度の業績報告を批准し、当年度の予算・決算案を決定すること。

    運営委員会は早稲田大学孔子学院日中両方の院長、北京大学付属高校に推薦された2名と併せて、計4名によって構成され、早稲田大学孔子学院当年度の計画立案・業績報告計画の制定と、当年度の予算・決算案の制定をけってする。

    事務局長は早稲田大学孔子学院事務局長が兼任する。事務局長は、理事長の指名にて早稲田大学教職員の中から任命し、事務局員数名を置く。

    日本側の協力体制:孔子課堂の事務所、各事業開催の場所及び必要な設備等は、早稲田大学高等学院より提供する。